2026年3月31日の日本株は、原油高と円安の組み合わせが最後まで重荷になりました。日経平均株価は4日続落し、終値は前日比822円13銭安の5万1063円72銭でした。朝方につけた急落局面からはかなり戻したものの、相場の主役が「買い材料」ではなく「悪材料の強弱」に変わっていたことが、きょうの値動きにそのまま出た格好です。
とくに今回は、地政学リスクが株価を直接押したというより、原油・為替・金利が同時に揺れたことが嫌気されました。半導体のような指数寄与度の高い銘柄が先に売られ、そのあとで自律反発が入っても戻り切らない。こういうときは、相場全体が悪いというより、投資家が「どこまで悪材料を織り込んだか」を見極める段階に入っていると考えたほうがわかりやすいです。
まず今日の答えは「原油高が株を押し下げた日」でした
31日の東京市場は、寄り付きから日経平均が大きく下げ、盤中には一時1300円超安まで売り込まれました。そこから下げ幅を縮めたのは、原油相場の上昇が一服したためです。つまり、株価そのものを動かしたというより、原油が上がるたびにリスク回避が強まり、落ち着くたびに買い戻しが入る、という往復運動が続いたわけです。
この動きは、過去のショック相場でもよく見ます。原油が急騰すると、まず運輸、化学、空運、電力のようなコスト高に弱い業種が先に警戒されます。そのあとで、実際に企業業績へどこまで波及するかを見ながら、相場全体が少しずつ修正されます。きょうの東京市場も、まさにその最初の一日でした。
円相場は159円台後半でも、安心材料にはなりませんでした
為替市場では、ドル円が159円台後半で推移しました。円安は本来なら輸出株の追い風になりやすいのですが、今回はそう単純ではありませんでした。なぜなら、円安の背景が「日本景気に自信があるから」ではなく、「中東情勢と原油高でドル高・円安が続いているから」だったからです。
このとき市場が気にするのは、1ドルいくらかよりも、円安が輸入物価やエネルギーコストをどこまで押し上げるかです。ガソリン、物流、電力料金が上がると、家計も企業もコストを吸収しにくくなります。そこで株式市場は、輸出のプラスよりも内需とコスト負担のマイナスを先に織り込みやすくなります。
さらに、為替介入への警戒感がくすぶっている点も、相場を落ち着かせにくくしています。160円手前に来るたびに値動きが荒くなると、投資家は新規の買いを入れにくい。つまり、円安が進んでも、そのまま株高につながる局面ではなくなっているわけです。
半導体・自動車・銀行で明暗が分かれました
31日の売買では、半導体関連の弱さが目立ちました。日経平均は指数寄与度の高い銘柄に振られやすく、半導体が先に売られると、相場全体の見た目が一気に重くなります。これは過去のAI相場でも同じで、主役株が休むと指数は意外なほど素直に崩れます。
一方で、銀行や保険のように金利上昇の恩恵を受けやすい業種は、株価全体が崩れる中でも相対的に粘りました。長期金利が2.39%台で高止まりしていることは、債券には逆風でも、金融株には悪くない材料です。ただし、今回は金利上昇そのものが「景気への不安」とセットで見られたため、金融株だけで全体を支えるには力不足でした。
自動車株も、円安だけで素直に上がる地合いではありませんでした。原油高が続く局面では、輸送コストや需要減速の見方が重なりやすく、円安メリットが相殺されやすいからです。結局のところ、きょうの市場は「輸出メリット」より「コスト増」を先に見ていたといえます。

海外株と政策材料は、下げ止まりのヒントになりました
前日の米ハイテク株安は、東京市場の半導体売りを強める背景になりました。ただ、米株先物が持ち直す場面があると、東京でも短期筋の買い戻しが入りました。海外株の方向感が少し変わるだけで、日本株の見え方も大きく変わる。とくに今のように地政学リスクが強い場面では、その傾きがいっそう大きくなります。
政策面でも、経産相がエネルギー高への対応に言及したように、相場は「企業業績だけで解ける問題ではない」と意識し始めています。燃料コストが長引けば、企業は値上げと需要減の板挟みになります。だからこそ、市場は単に原油価格を見るのではなく、政策がどこまで家計と企業の負担を和らげるかを見ています。
ここで重要なのは、投資家心理がかなり繊細になっていることです。悪材料が1つ増えるたびに売りが広がる一方、少しでも原油や米株が落ち着くと買い戻しが入る。こうした相場は、見た目よりも神経質ですが、裏を返せば、悪材料が増えない限りは下げ続けにくいという面もあります。
明日以降は「原油の方向」と「円の節目」を見るだけで足ります
4月相場の初日は、原油と円相場のどちらが落ち着くかで方向がかなり変わりそうです。原油が高止まりしたままなら、企業のコスト見通しは重くなり、日経平均の戻りは鈍くなります。逆に原油が一服し、円が160円台の手前で落ち着けば、半導体や自動車の押し目買いは入りやすくなります。
ただし、きょうの値動きでわかったのは、相場がもう単純な「円安歓迎」では動いていないことです。原油、金利、海外株、政策、投資家心理が同時に動くと、日本株は一方向に走りにくくなります。だからこそ、明日からは指数の上下だけでなく、その背景にあるコストと金利の組み合わせを見たほうが、ずっと読みやすくなります。
ここまでの内容をまとめると、31日の日本株は原油高と円安に押されて4日続落しましたが、下げの途中で買い戻しも入っており、完全な投げ売り相場ではありませんでした。原油が落ち着くか、円安がさらに荒れるかで、4月初日の地合いはかなり変わります。次の焦点は、日経平均の水準そのものより、原油・為替・金利が同時に落ち着けるかどうかです。